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会長挨拶

東入間医師会会長 関谷 治久

東入間医師会会長 関谷 治久

コロナ禍での3年目の新年を迎え
東入間医師会会長
関 谷 治 久

 令和も、やっと4年目を迎えた。

 希望を持って迎えた令和の時代も、4年目にして、明るい展望が描けるようになってきた。

 ご承知のように、元年にはカテゴリー5のスーパー台風が襲来し、関東甲信越や東北地方に記録的な大雨や大規模な河川氾濫をもたらした。

 2年、3年は、新型コロナウイルス感染症の拡大が国民の社会経済活動などに大きな影を落とした。

 そうした中で、東京オリンピック・パラリンピックの実施の可否を巡って、世論を2分するような議論も出たが、開催にこぎつけ、一定の成果を納めたのは良かったと思っている。

 昨年を振り返ると、1月中旬から夏頃まで、医療従事者や高齢者等への接種に向けての体制づくりで息の抜けない日々の連続だった。

 当医師会は、富士見市、ふじみ野市、三芳町と複数の行政と係わっているが、首長はじめ行政職員並びに会員の先生方のご理解、ご協力をいただき円滑な接種が行われた。

 医療従事者への接種体制は、1月中旬の県の説明会の開催後、1ヶ月で整えた。

 基幹型接種施設が各行政区域毎に1病院、連携型接種施設が全体で9病院の体制とした。接種対象人数は7,750人(当時で最終的には約8千3百人)。

 第一弾のワクチンが3月11日に1箱(975人分)がイムス富士見総合病院に届けられた。当時、コロナ病床を確保している医療機関が他に2医療機関あったので、そこに最低限の必要数を別送した。

 このことがV-sys上でシステム化されていなかったので、後々、三芳町の医療従事者への接種に影響を与えたが、その後の国、県のご努力によりシステムの修正が行われ事なきを得た。

 ワクチンの供給量は、5月10日の週までに供給された分で、概ね、管内の予定されていた全ての医療従事者分が確保された。

 一方、高齢者への接種については、各地区の医師会長に一任し、3月以降の定例理事会で毎回報告して頂くとともに、行政との会議を6月以降毎月下旬に開催して情報の共有を図った。

 そして、接種の開始は、富士見市、ふじみ野市が5月24日(月)から、三芳町は5月17日(月)からとし、市民町民に当医師会HP(04/30日付け)でもPRした。

 富士見市、ふじみ野市は、個別接種と集団接種を行い、集団接種には会員が、個別接種では、それぞれ23、37の医療機関が協力した。

 三芳町は、対象人口が少ないことから個別接種のみとし、地域の3つの病院と複数の医療機関が協力した。

 以上が1月から4月までのワクチン接種の大きな流れである。

 時期的には、年末から続いた第4波の影響で、埼玉県には、1月7日から緊急事態宣言が発令され、結果的に3月21日まで延長されるという厳しい感染状況が続いた時期であった。

 以降、4月16日からは「まん延防止措置等重点地域」に指定され、延長に延長が重ねられ、その期間は最終的には7月11日まで延びた。県では、感染拡大が落ち着いてきた5月27日にワクチン接種の迅速化を図るため、再度、個別医療機関への休日・時間外接種を含む接種枠の拡大の協力を依頼してきた。

 これに呼応して、ふじみの救急病院から、必要であれば新規で3,000人/日(うち時間外約2,000人)の接種枠を設ける形で協力が可能である、との申し出を受けた。

 接種枠が県が予定している大規模接種会場での接種枠以上であることから、県のワクチン対策本部に実現に向けての対応策について協議したところ、当面、地域でグルーピングをして徐々に区域を拡大してはどうか、との回答をえた。

 国が11月末までに全ての国民への接種を完了するとしていることから、第一に、若者への接種のスピード化を図ること、と第二に、住所地外接種届出の省略化を図ること、が必要と考え、私から市長、町長に直接、接種体制計画などについて電話で説明し、理解を頂いた。

 そして、6月14日付けで、「新型コロナウイルスワクチン接種の実施に関する協定書」を2市1町の首長と東入間医師会長とで締結し、2市1間相互で住所地外接種届出を不要とした。

 実は、この一連の経過の中で疑問に思った事が2つある。

 1つは、接種を受ける住民の目線でみた場合、「住所地外接種届」は、どうしても必要なのかということである。

 感染が急拡大している中で、唯一の切り札であるワクチン接種事務を早く効率的に行う観点から見た場合、例外的に撤廃すべきである。

 国は、春以降、何回も方針を変更しては、一刻も早く国民への接種を行うという前提で動いてきた。「住所地外接種届」の提出を求めるのは平時の発想であって緊急時の対応ではない。

 2つは、ワクチンの供給が、原則行政区域内の住民の数が基本となっていることである。

 行政区域は、便宜的な区域であって、普段そこに住む住民の生活圏域とは必ずしも一致していない。国や県は、ワクチンの必要量を行政区域の人口構成に応じて一方的に算出、配分してきた。コロナと対峙している現場の状況はあまり考慮されなかった。

 ふじみの救急病院が所在する三芳町の人口は、約3万8千人である。この人口を基本に供給ワクチンの量が決められ配送されるので、当然のこととして不足する。他の市町村もワクチン不足で悩まれていたのであまり大きな声で言えなかったが、県から送られてくるワクチン配送計画に接する度に気持ちは暗くなった。

 ともあれ、7月上旬までの約1ヶ月余で、行政との協定の締結、広報や記者発表なども済んだ。

 ところが県の感染状況は、県が追加接種枠の拡大を依頼した5月末から1ヶ月経過後の6月下旬を底にして、7月下旬から8月中旬まで、デルタ株の影響もあって感染者数は爆発的に拡大した。

 ふじみの救急病院でのPCR検査数は6月が全体で3,491件、7月が6月の約倍の7,721件となり、特に7月24日には1日あたり667件となった。

 この状況を受けて、8月2日から、また緊急事態宣言が発令され、期間中に延長もあって、発令期間は9月30日まで続いた。

 当医師会管内の感染状況も同様の傾向だったので、今にして思うと、あと1ヶ月早かったら‥‥という気持ちである。

 昨年は、ワクチンに始まりワクチンで終わった1年間だった。県の感染状況は8月19日の2,169人をピークとして急減し、11月8日には 3人まで減少した。

 昨年の12月には軽症や中等症の人の入院リスクを半減させる経口薬が実用化されたし、3回目の医療従事者への接種が開始され、コロナと闘う武器を2つ手にした。

 令和の時代も4年目にして、災害やコロナから解放され、元号の由来にふさわしい時代がくるよう期待している。